小川和紙とは
埼玉県比企郡小川町
秩父郡東秩父村で作られる
手漉き和紙
素朴な風合いを持ち
やさしい手触りで人の温もりを感じる
1300年の歴史をつなぐ伝統産業
小川和紙の歩み
小川町と東秩父村で作られた和紙を小川和紙と言います。この小川和紙は柔らかな風合いで光沢があり、とても強靭であることが特徴とされています。その作り方は、大きく分けると次の3種類の技法があります。
①流し漉き
主に楮を原料に流して薄い和紙を作る。昔ながらの伝統の技法で、様々な和紙が作られていますが、その中でも最も高級なものが細川紙です。
②溜め漉き
洋紙の原料であるパルプも使いながら、はがきや色紙、賞状用紙など、厚い和紙を作ります。
③機械漉き
和紙の風合いを残しながら大量生産します。
このようないろいろな技法によって小川和紙は作られており、便箋や封筒をはじめとして、卒業証書やうちわ、行灯など様々な製品も生み出されています。
<補足>
細川紙は、埼玉県小川町・東秩父村で古くから継承されている伝統的な手漉き和紙です。その技術が昭和53年に国の重要無形文化財に指定され、さらに平成26年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。国内産の楮(白皮こうぞ)を原料とし、伝統的な方法と用具で作られます。楮の長い繊維は強靭で、流漉きによって楮の繊維が結合し、絡み合い、丈夫な紙になります。耐久性が細川紙の大きな特徴の一つです。
—細川紙について 細川紙技術者協会HPより引用
伝統の流し漉きの製造工程
⒈楮の管理 | 冬に刈り取った楮は、3月頃に新芽が現れ、11月頃には約3メートルの高さに成長します。春から秋にかけて草刈り・芽かき・間引きなどを行い、ひと株ひと株手をかけて育てていきます。 |
|---|---|
⒉刈取り | 刈取り(かりとり)。楮の株元に鎌や鋏などの刃を当てて刈取ります。切り株の腐敗防止と保護のため、楮の切り口が南向きになるようにします。刈取り〜楮むきまでは一連の作業で、12月から1月頃に行います。 |
⒊楮かしき | 楮かしき(かずかしき)。楮の樹皮を剥きやすくするために楮の原木を釜で蒸す作業です。まず、楮を約90cmに切り揃えて縄で束ねておきます。次に、底に水を張って網をかぶせた釜の中へモトを下にして楮の束を詰めていき、かしき桶や防水シートなどを被せて密封し2時間蒸します。蒸し上がった直後の楮に直接水をかけて外皮と芯を分離させて剥きやすくします。 |
⒋楮むき | 楮むき(かずむき)。蒸し上がった楮の樹皮を剥く作業です。冷えると樹皮を剥きにくくなるため、蒸し上がった直後に楮の束を保温シートで包み、ひと束ずつ取り出しては1本1本樹皮を剥いていきます。剥いた樹皮は3日ほど天日乾燥させ、干しあがったら束にして保存します。 |
⒌楮ひき | 楮ひき(かずひき)。楮むき作業で作られた樹皮を水でふやかし、表皮を取り除いていく作業です。楮の樹皮は外側から黒皮→なぜ皮→白皮の三層構造で、どんな和紙を作るかによって表皮の取り除き方を変えます。 |
⒍楮煮 | 楮煮(かずに)。楮をアルカリ性の水溶液で煮熟し柔らかくする作業です。煮熟材はかつて木灰を使用していましたが、明治末期からはソーダ灰が使われ始め、昭和に入ると苛性ソーダなども使われるようになり、よりアルカリ度の高い煮熟材が使われるようになりました。一晩水に浸しておいた楮を、2時間かけて煮熟し3時間蒸らした後、釜から楮をあげて数日かけて自然湯きりします。 |
⒎ちり取り | 湯きりした楮を流水に浸してアクを流しながら1本1本手作業でちりを取り除いていく作業です。数日かけて行うため、和紙づくりの工程の中では最も時間がかかりますが、綺麗な和紙を作るうえで欠かせない作業です。 |
⒏楮打ち | 楮打ち(かずうち)。木槌や打解機で叩いて楮の繊維をほぐす作業です。楮打ちした後、長刀ビーターで楮の繊維をさらに細かくして、和紙が漉ける状態(紙料)に仕上げていきます。 |
⒐トロ叩き | 綺麗な和紙を作るのに欠かせないのがアオイ科の植物、黄蜀葵(トロロアオイ)です。黄蜀葵の根を叩いて水に浸けておき抽出した粘液をトロ(ネリ)といいます。トロに糊の効果はありません。漉き舟の中で紙料が均等に浮遊する状態を保つために使用します。地合いが均等な和紙を作るためにはトロが欠かせません。 |
⒑紙漉き | 紙料を1枚の和紙にしていく作業です。漉き舟の中に、水と紙料とトロを入れ、馬鍬(マンガ)と竿きり棒を使いむらなく攪拌し、紙料を万遍なく散らして舟を仕立てます。 簀桁という道具に漉き舟の紙料を流し込んで均等に揺らして漉き上げていきます。漉き上げた和紙は、敷き詰めの上に積み重ねた紙床(しと)をかんだといいます。かんだをひと晩かけて自然脱水します。 |
11.かんだしぼり | ジャッキを使いかんだを圧搾する作業です。一気に絞ると漉き重ねた和紙の層が押し出されたり切れてしまったりするため、時間をかけて少しずつ慎重に絞ります。 |
12.紙干し | かんだから和紙を1枚ずつ剥がして、乾燥機の鉄板に貼り付けて乾燥する作業です。乾燥が仕上がれば和紙の完成です。紙干しはかつて杉や銀杏などの板に貼り付けて天日で乾燥させていました。冬の乾燥した晴天の日には、千両にも値する和紙が乾くとされ、「ぴっかり千両」という言葉も生まれました。 |
13.紙そろえ | 和紙を室内で検査選別する作業です。風の影響を防ぐため部屋を閉め切って行います。和紙を1枚ずつ日光に透かし、上紙と不良品(傷、破損、乾燥ムラ、汚れ、しわ、厚さの不揃いなど)を選り分けます。 |












